自己犠牲という美名の下で、経営者としての責任を放棄するような人を、私は蔑みます。
※講談社文庫 レッドゾーン(下) 真山仁著 P260より引用。
こんにちは。読書@toiletです。
読書@toiletの読書日記も兼ねて読んだ本の紹介させていただいてます。
ハゲタカⅢ レッドゾーンついて
真山仁先生のハゲタカシリーズ第3作です。
参考 ハゲタカ、ハゲタカⅡの記事はこちら
本シリーズは、主に企業買収案件を軸に、ビジネスにおける交渉や金融テクニック、そこで巻き起こる人間ドラマが読みどころとなります。
第1作ではバブル崩壊期の銀行、第2作では東証1部上場の名門企業とスケールUPしてきましたが、今回は日本最大級の自動車メーカーが対象となり、さらに大きなスケールになっています。また競合相手も第2作の米巨大ヘッジファンドから、中国国家ファンドと、ついに国家を向こうに回しての戦いになりました。
筆者は金融知識もさっぱりなく、海外事情については旅行にさえ数えるほどしか行ったことがないので、ここまでくると実感というか、そんなもんなのかな。。。。という感じです。
アジアの中で、日本ってどう?
本書は、先にも書いた通り競合が中国国家ファンドとなるため、中国事情が度々描かれています。2018年現在から10年近く前に書かれているため、現在の状況とかなりのタイムラグがあるので気をつけなければいけませんが、意識として
✔ 日本=先進国→豊か
✔ 中国=先進国とは呼べない→お金はあるけど、豊かとは言い難い
といった描写が頻繁に現れます。いや10年前はそうだったのでしょう。繰り返しますが筆者は海外へ行ったことは殆なく、中国は一度も行ったことがありません。
ただ一つ思うことは、本書が書かれてから約10年を経た現在でも、世間的な認識は上記とさほど変わっていないのではないか?ということです。これは中国のみでなく、アジア諸国の中で日本のみが先進国で、その他はまだ後進国というのが世間一般の認識ではないか?と。
筆者が生活の中で目にする報道では、パッと思いつく政治関連以外の報道です。
✔ 北京五輪/上海万博の開催により、都市部の建物・インフラは真新しい
✔ 決済はスマホが主流。現金は殆ど使わない。なんなら屋台でも電子決済可能
✔ 株式会社の世界時価総額ランキングでは、上位10社中、3社が中国企業(2018年3月31日時点)
✔ 都市部の物価は東京を遥かに上回る。
これ日本って、もはや中国の眼中に入っているのかな?という気がするぐらい負けている印象です。産業的な面で勝てる点は、もはや自動車産業だけなのでは、、、いや自動車産業というかトヨタ自動車だけなのでは、、、という気がします。
一昨年~昨年くらいで、中国からの旅行者による「爆買い」が大きな話題となりました。現在もアジア近郊からの旅行者は頻繁に目にします。彼らの視界に映る日本はどんな感じなんでしょうか?
✔ 結構みんな親切
✔ 街がキレイ
✔ 安全
というのは間違いないでしょう。日本が誇れる美点ですね。
ただ同時に
✔ 建物がどれも古い・・・・電車とか古すぎでしょ
✔ いまだにクレジットカードが使えない店が多い!
✔ Wi-Fiも全然飛んでない
という印象もあるのではないでしょうか?これって、日本=貧しい国という印象ですね。。。我々がヨーロッパに憧れるように、中国の旅行者もヨーロッパへの旅行はある程度のテンションを保って出かけるのでしょう。ただ日本へは、
「まぁ、安いし手頃だし、日本にしとくか」
くらいのモチベーションなのでは?と考えてしまいます。
以上、とりとめのない内容になりましたが、実は日本って貧しい国なのでは?というお話でした。
何を今さら!と言う意見はご容赦下さい。なにせ一度も外から日本を見たことがないもので。
この本を読むならこんな人
✔ 金融に興味のある人
✔ 海外で働いてみたい人(特にアメリカ東海岸)
✔ 金儲けが上手くなりたい人
✔ 世界で一番、金儲けがうまくなった気になりたい人。
※もちろん、上記以外の方が読んでも面白いです。
■作品;「ハゲタカⅢ レッド・ゾーン(上・下)」
■著者;真山仁
■種類;経済小説
■刊行;2011年6月
■版元;講談社文庫