こんにちは。読書@toiletです。
読書@toiletの読書日記も兼ねて読んだ本の紹介させていただいてます。
今回は、紹介しきれなかった、浅田次郎先生の「天切り松シリーズ」の名言をまとめてみたいと思います。
以下、
第1巻:闇の花道より
「無益だって?ーーふん、いいかい閣下。世の中にゃ銭金より大事なもんが、いくらだってあるんだ。てめえのような長州の芋侍にゃわるまい。どうりで薄ぼんやりと花火を見てやがると思ったら、ハハッ、どんと上がって消えちまう無益なもんの有難味を、てめえはしらなかったんだねぇ。
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 闇の花道 槍の小輔 P77より抜粋
名言①:振袖おこん姉さん。お金より大切なものを持っている人は強いですね。
「見たか下衆野郎。銭金なんざたちまち消えてなくなるが、山県有朋の金時計(キンマン)がぽちゃんと大川に落ちたとあっちゃあーー」
(本文省略)
「その音ァ、一生この振袖おこんの胸に残らあね」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 闇の花道 槍の小輔 P77より抜粋
名言②振袖おこん姉さん。先ほどの名言の続きです。お金はあの世まで持ってはいけません。
「わかるか松ーー百や二百のはした金で、人間嘘をつかずに済むてえんなら、こいつァ安い買い物だぜ」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道 百万石の甍 P125より抜粋
名言③:黄不動の栄治兄ィ。この時代の100円、200円だから、100万とは200万くらいでしょうか?かっこいいけど、安くはないです。かっこいいけど。
「この野郎、死んだかかあみてえな口ききやがって。棟梁てのァな、いつだってこうして棟木の上で玄能をふるってっから棟梁ってえんだ。地べたから偉そうに見上げてああせいのこうせいえのと言った日にやぁ、建前はみいんな花清のビルヂングみてえに歪んじまわあ。わかったか、このくそったれが」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道 百万石の甍 P155~156より抜粋
名言④黄不動の栄治兄ィのお父さん。何気にこの方、名言が多い。いいこと言います。やっぱり、男は現場に出ないと。大将は最前線にいないと。
参考 第1巻「闇の花道」の記事はこちら↓
第2巻:残侠より
「正月早々、四の五のとうるせえ野郎だな。観音様のお参りはまっつぐ仲見世からするもんだ。そりゃあおめえ、どの道通ったって、この人混みを歩くよりァ早くお堂にゃつくがよ。世の中そういうもんじゃあねえぞ。
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠 P16より抜粋
名言⑤説教寅。筆者も、まっつぐが一番だと思います。
「べつに俺ァ、説教たれようてえわけじゃあねえ。つっぱらかって生きようが、のんべんだらりと生きようが、一年は一年。七十年は七十年。生き方なんざ、人の勝手さ。だがよ太郎。おめえも六十二年を生きてきた人間なら、多少は男の見得てえもんがあろうがい。男てえのァ苦労なもんで、一日は朝から晩まで、一年は正月から晦日まで、一生はおぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ俺ァ男だと、てめえ自身に言いきかせて生きにゃならねえもんさ。そのお題目をいっときでも忘れりゃあ、とたんに楽にゃなるがの」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠 切れ緒の草鞋 P64より抜粋
名言⑥天切り松。せいぜい、男の見得をはって生きたいものです。
「勝った勝ったで威勢のいい時分にァ、用もねえ銭をおっつけて高え利息をふんだくり、世の中左前になれァ、無理無体に掛け取りをおっぱじめるてえのァてめえら、よその国ならいざ知らず、ちょいと行儀の悪い商売じゃあござんせんかい。こんな無法を、法がどうともできねえてんだから仕方がねえ。二千両はお天道様の決めた罰金だ。二万両でも高かァねえが、きょうのところは勘弁してやる。そんじゃ邪魔したな、あばよっ!」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠 百面相の恋 P147より抜粋
名言⑦百面相の書生常兄ィ。金融屋さん、聞いていますか?
「そりゃあおめえ、聞くだけ野暮だろうがい。役者よりも俳優よりも、盗ッ人はよっぽど格好がいい」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第二巻 残侠 黄不動見参 P205より抜粋
名言⑧黄不動の栄治兄ィ。自分の価値観をもって堂々と。
参考 第2巻「残侠」の記事はこちら↓
第3巻:初湯千両より
「忘れがたみの坊っちゃんに、父親の武勇伝なんぞさしちゃならねえ」
「軍人の子が、父を矜りにして何がいけないのですか」
「よおく考えてみなせえ。いらぬ戦にかり出されて死んだことが、名誉の戦死でござんすかい。いいや、よしんばどんな大義の戦にせえ、鉄砲玉に当たって死ぬことに名誉も矜りもあるもんか。倅にそんな武勇伝なんぞ教えたら、あんた二度泣くことになりやすぜ。坊っちゃんをいっぱしの男にしたかったら、死ぬことよりもまず、生きることを教えなせえ」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 P22~23より抜粋
名言⑨説教寅。おしゃるっとおりです。
「おうよ。しょせんいやがらせなんてえもんは、狭え世の中そうそう本気でしたりされたりするもんじゃあねえ。男は言葉が足んねえ、センスがねえ。女はつんけんと尖んがって可愛げがねえ。わかるかい、ねえさん。そんな男と女が惚れ合ったところで、犬畜生より上等な付き合いができるはずはあんめえーーまあ、掛けねえ。夜は長えさ。」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 宵待草 P87より抜粋
名言⑩:天切り松。センスは、なかなか難しいです。言葉は不足の無いようにしていたいと思います。
「ブタバコは退屈なところでござんすから、女の話、食い物の話、稼業の話、何を口にしたってようござんすがね。したっけ銭金の話てえのァ、行儀が悪い」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 大楠公の大刀 P130より抜粋
名言⑪:天切り松。確かに行儀が悪い。金融屋さん聞いてますか?
「おめえら二人ともいい若ェ衆だが、男としちゃあまだまだ磨きが足らねえ。いいか、俺はてめえらよりァ、いささか長く男てえ商売をしちゃいるがの、ひとっつだけきっちりと言い聞かしてやる」
茶碗酒をぐびりと飲んで、是光は肩肘を張った。
「日本中の目利きをみごと欺くらかしたって、小龍てえその芸者だけは欺しちゃならねえ。やい黄不動。てめえも天下の職人なら、横着な仕事はするな。男だったら筋の通らん嘘はつくんじゃあねえ。たとえ空ッ穴だろうが、酔いどれのろくでなしだろうが、通さずばならねえ筋さえ通して生きれァ、男は男なんだぜ」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 大楠公の大刀 P130より抜粋
名言⑫:石堂是光。肝に銘じます。
「わかるか、にいさん。俺ァたしかにてめえらが破廉恥漢と馬鹿にする盗ッ人にァちげえねえが、どっこい銭金まみれの盗みなんざ、七十年の盗ッ人稼業、ただの一度だってしたためしはねえ。いってえ何のために、親から貰った体を張り、命を的にヤマを踏むか、てめえらも金玉ぶら下げた男ならば、よおっく考えてみやがれ。銭金は命の次に大事なものだってか。冗談はよせ。銭金よりも命よりも大事なものァ、この世にいくらだったあらあ。長え人生、それをひとっつずつ見っけて、懐に収っていけ。いいな、ぬかるんじゃあねえぞ。」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 大楠公の大刀 P190より抜粋
名言⑬:天切り松。筆者は残念ながら、命よりも大切なものは1つか2つしか見つかっていません。。。
「おうよ。フリーターてえきょうびのはやり言葉をよくは知らねえが、つまりァ『らしく見えねえ』てこったろう。職は一芸。一芸をとことん磨けァ、誰だってらしく見えるのァ当たり前だ。お巡りにせえ芸人にせえ、お医者にせえ政治家にせえ大工にせえ、ひと目でそうとわかる男がいなくなった。その昔ァ、湯屋に行ったって、男の稼業はそうと知れたもんだ。まったく、素人だらけの世の中になったもんだの」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第三巻 初湯千両 道化の恋文 P237より抜粋
名言⑭:天切り松。副業とかしてたら何と言われるのでしょうか。
参考 第3巻「初湯千両」の記事はこちら↓
第4巻:昭和侠盗伝より
「おっちゃんは盗ッ人だから、そう言われたって困らあ。ありがとうはお天道さんに言いない」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝 P23より抜粋
名言⑮:安吉親分。これを言ってサマになったら、本物でしょう。
「おめえは、悪党だ。いいか先生、いかに民主主義の世の中だって、物事の善悪まで数の多寡できまるわけじゃあねえ。たとえ一握りの善行でも、いいものはいい。みんなしてやろうが、悪いことァ悪いんだ。その道理もわからずに、運が悪かったと言うおめえは、根っからの悪党さ」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝 P45より抜粋
名言⑯:天切り松。周りばかり気にしてないで、しっかり自分の頭で考えて判断しなさい、ということですね。
「そうだ。勲(いさおし)は、軍服の胸に飾るものではない。しっかりと男の胸に括りつけよ。目に見えるお宝など、たかが知れちょる」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝 P91より抜粋
名言⑰:東郷平八郎。さすがでございます。
「男の仕事は、銭勘定も星勘定もしちゃならねえが、そんな仕事なら兵隊にだってできる。きちんと手順を踏んで、仕事の道理を通さずばならねえ。そのあたりの心意気が、関東軍と黄不動のちがうところさ」
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝 王妃のワルツ P223より抜粋
名言⑱:黄不動の栄治兄ィ。筆者も惚れそうです。
てめえの身ひとつの辛抱ならいくらでもせえ。だが、他人の辛抱を見て見ぬふりしちゃならねえ。それが恥だ
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第四巻 昭和侠盗伝 尾張町暮色 P283より抜粋
名言⑲:安吉親分。安吉親分のセリフは、ホントに親に物を教わっている気分になります。
参考 第4巻「昭和侠盗伝」の記事はこちら↓
第5巻:ライムライトより
やっちまったことは仕方ねえが、格好はつけろよ。
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト 月光価千金 P79より抜粋
名言⑳:天切り松。これを言ってくれる上司がいたら、、、、ついて行きます!
おめえさん方もろくでなしにはちげえあるめえが、親分の貸元のと呼ばれるからには、物事の善悪は心得ておろう。いいかえ、ろくでなしでもごくつぶしでもかまわねえが、女子供を飯の種にするのは、外道でござんすよ。股倉にぶら下げた金玉の目方がどれほどのものか、男だったらいつだって承知していなけりゃなりやせん。
※集英社文庫 浅田次郎著 天切り松 闇がたり 第五巻 ライムライト 箱師勘兵衛 P107より抜粋
名言㉑:天切り松。THE 男の使命。
参考 第5巻「ライムライト」の記事はこちら↓
いかがでしたでしょうか?
上記は、ほんの1部で、本シリーズは、こんなセリフが溢れています。ぜひ読んでみて下さいね。