伊坂幸太郎:殺し屋シリーズから分かる17の人間の心理と真理

こんにちは。読書@toiletです。

読書@toiletの読書日記も兼ねて読んだ本の紹介させていただいてます。

今回は、紹介しきれなかった、伊坂幸太郎先生の「殺し屋シリーズ」の名言をまとめてみたいと思います。

何となく人間の心理(真理?)を覗ける気がしています。

以下、

グラスホッパー

参考 グラスホッパーの記事はこちら↓

珍しいアサガオを探し求める、セミとクジラと令嬢。いたる所に張られた伏線は、伏線であることすら気づかない、脱帽の設計と構成。伊坂幸太郎:グラスホッパーの感想を書いています。

「『チャーリー・パーカーに道で白人を十人殺して良いと言えば、楽器をすてて、演奏なんてやめるさ』」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

既に本作を読了されている方は、ご存知かと思いますが、登場人物がたびたび引用している、ジャック・クリスピン曰く・・・より。

「うるせえな、依頼が来たんだから、仕方がねえだろうが。ジャック・クリスピンはこう言ってたんだぜ。『許してやるのは最初だけ』ってな。ってことは一度目は、ありなんだ。な、あるだろ」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

ジャック・クリスピンじゃなくても言っていそうです。ただ、解釈が新しいかと。

「本当に困っている人間は、大声を出せない。だろ」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

槿さんのセリフです。「本当に大事なことは、小声でも届くものだ、とな」から会話のやり取りがあって、このセリフで結びます。声なき声を拾う、槿さんは殺し屋なのですが、ちょっと正義の味方っぽいところがありますね。

「大丈夫だと思っちゃうんだ」比与子が笑う。「いくら危ない状況にいてもね、たぶん大丈夫だろう、って思うものなんだって。危険、と書かれた箱だって、開けてみるまでは、『それほど危険じゃないだろう』って高をくくってるわけ。指名手配犯がパチンコ屋に行くのと同じ心理だよ。まあ大丈夫じゃねえか、って考えるわけ。急に、大変なことにはならないだろう、って。危険は段階を踏んで訪れると、思いこんでるわけ。肺癌になると言われても、煙草をやめないのと同じ」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

悪い女:比与子さんのセリフより。比与子さんは大変に悪い女性ですが、筆者はとても美人さんだと勝手に思っています。ちなみに筆者のイメージは沢尻エリカさん。ちなみに映画は菜々緒さんでしたね。こちらもぴったり。さすがのキャスティングです。

※沢尻エリカさんも菜々緒さんも「悪い女」というイメージでぴったりと言っているわけではなく、強く美しいイメージの女性、という意味です。

「たぶん、わたしたちってさ、自分の目の前に、敵の兵隊が立ちはだかっても、戦争の実感は湧かないかもね」と彼女は言い、「今まで世界中で起きた戦争の大半は、みんなが高をくくっているうちに起きたんだと思うよ」と残念そうに肩をすくめた。やはり気にも言う通りだ。すっかりその言葉を忘れていた。薬指に神経を集中させながら、思った。「世の中の不幸の大半は、誰かが高をくくっていたことが原因なんだってば」その通りだ。

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

主人公の奥さんのセリフより。筆者も高をくくっている人間です。不幸な報道が多いですが、どこか他人事で、別世界の出来事と感じている自分がいます。

「馬鹿か。いいか、人間の知恵だとか科学は、人間のためにしか役に立たねえんだよ。分かってんのか?人間がいてくれて良かった、なんて誰も思ってねえよ。人間以外はな」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

蝉のセリフより。十分に教育を受けた様子が伺えない殺し屋の蝉ですが、たまに真理みたいなことを言います。

「数が多いと、相手も、諦めやすいんだって。努力しても、抵抗しても、この人数なら敵わないって、そういうのあるでしょう?しかも、屈強で、乱暴で、冷血な社員ばっかりだしね。押し屋さんは結構、大変よ」と女は他人事だった。

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

悪い女:比与子さんのセリフより。商談とかで、やたら大人数で臨む場面を目にすることがありますが、この効果を狙っているのでしょうか。あまり効果があるとは思えませんが。筆者はこの比与子さんが大好きです。

「八方ふさがりになると、人というのは暴発するんだ。それならば、どこかに、道を作ってやればいい。手がかりを残せば、必死に辿ってくる。俺の居場所を追っている間は、滅多なことはやらないと踏んだ」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

「今、この国では一年間に何千人もの人間が、交通事故で死んでいる」槿は質問に答えずに、数字を持ち出してきた。

「らしいですね」

「テロリストだって、そんなに人は殺さない。無作為に、一万人近くも殺すテロリストなんていない。だろ?負傷者を含めれば、もっとひどい数字になる」

「ええ」

「それなのに、車に乗るのはやめよう、とは誰も言い出さない。面白いものだ。結局、人の命なんで二の次なんだ。大事なのは、利便性だ。命より利便性だ」

※Google play books 伊坂幸太郎著 グラスホッパー より抜粋

槿さん2連発。本編ではジャック・クリスピン以外だと、槿さんの発言に最も名言が多いですね。

マリアビートル

参考 マリアビートルの記事はこちら↓

蜜柑と檸檬の甘い匂いにつられた天道虫が迷い込んだのは、王子様が乗る東北新幹線。多様な価値観の衝突が生む火花。伊坂幸太郎著 マリアビートルの感想です。

「人はね、お金に限らず、いろんな欲望と計算で動いているんだ。梃子の原理と同じで、そういう欲望のボタンをうまく押せば、中学生でも人間は動かせるんだよ。

※Google play books 伊坂幸太郎著 マリアビートル より抜粋

王子の発言より。王子君は中学生の設定ですが、こんなことに気がついている中学生が実在したら驚異ですね。

つまり、こう考えられる。人間は、おぞましい決断や倫理にはんする決断をしなくてはならない時こそ、集団の見解に同調し、そして、「それが正しい」と確信するのではないか、と。

※Google play books 伊坂幸太郎著 マリアビートル より抜粋

これも王子の場面からです。つまり、、、の前は「人間には自己正当化が何をするにも必要だ」と始まります。

例えば、不祥事を起こした時や、不正な取引に手を染めた場合、「自分は本来はこんな人間ではない、これは相手が悪いのだ、そして周りも同じことをやっている」と自分への言い訳が必要だということです。

言い当ててますね~。

「結局、情報をたくさん持って、自分に都合がいいようにそれを提供できる人間が一番強いんだ。

※Google play books 伊坂幸太郎著 マリアビートル より抜粋

こちらも王子のセリフより。なんともない一文ですが、『自分の都合のいいようにそれを提供できる』が大変に重要です。情報をたくさん持っている人は、割とたくさんいますが、自分の都合のいいように提供するには、それなりの「力」が必要になります。社会的地位とか、提供する相手の弱みを握るなどです。情報収集は得意でも、自分の都合のいいように提供できる人間は、そうそういないと思います。

AX(アックス)

参考 AX(アックス)の記事はこちら↓

人生のリセットは認められるか?大きな力と対峙する1人の殺し屋が振るう、蟷螂の斧が届くことを祈らずにはいられない。伊坂幸太郎「AX(アックス)」の感想です。

「そいつの努力では変えられないからだ。どうにもならないことを攻撃しても、フェアとは言えない。そうだろ?」

※Kindle 伊坂幸太郎著 AX(アックス) より抜粋

殺し屋の兜さんから息子へ向けた言葉です。容姿を馬鹿にすることはフェアではないと。

「そうだ。そして、『自分がやった時はいいけれど、自分がやられた時はダメ』と主張するのがアンフェアだ」

※Kindle 伊坂幸太郎著 AX(アックス) より抜粋

こちらも殺し屋の兜さん。兜さんはフェアであることを大変大事にします。スポーツ選手に通じるものがあります。2018年5月末の現在、日本大学アメフト部の危険タックルが、大きな騒動に発展していますが、あれはフェアとかアンフェアといった領域ではなく、『自分がやった時も、やられた時もダメ』なこととなります。

命を危険に晒す争いに参加することなく、机に向かってペーパーテストを解くことができるのは、つまりそれほど社会の治安が落ち着いているのは、限られた国の、限られた時代、しかも限られた若者だけかもしれないからだ。

※Kindle 伊坂幸太郎著 AX(アックス) より抜粋

殺し屋の兜さん。これは「確かに!」と頷いてしまします。子供のころは勉強が嫌で仕方がなかったですが、それはそれで幸せなことだったということです。

暗いというのは、単に、静かに日々を楽しむことができる、ということですよ」明るい性格です、と自称する人間がえてして、他社を巻き込まなくては人生を楽しめないのを兜は知っている。

※Kindle 伊坂幸太郎著 AX(アックス) より抜粋

殺し屋の兜さん。兜さんも特に明るい性格ではなさそうですが、筆者も周囲の評価で「明るい」とされたことはありません。でも、これからは自分のことを「静かに日々を楽しむことができる人」と定義したいと思います。

「人が誰かを憎むのに、論理的な理由は必要ないからな」

※Kindle 伊坂幸太郎著 AX(アックス) より抜粋

殺し屋の兜さん。人間の感情は簡単に論理を超越しますからね。

いかがでしょう?

伊坂幸太郎さんの作品は、エンターテインメントとしても超一級です。どれも大変に楽しめますが、登場人物の口を借りて、読者へのメッセージというか、著者の考え方の一端が見え隠れするのも筆者が楽しみにしている点です。

しかし、伊坂さん頭いいなぁ~。

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