東野圭吾:「真夏の方程式」を読んでみつけたこと。かける言葉が見つからない、そんな時にかける言葉が、ここにあった。

「忘れないでほしい、君は一人じゃない。」

※文庫版 真夏の方程式 東野圭吾著 より引用。

かける言葉が見つからない、その時かける言葉がここにあった。

こんにちは。読書@toiletです。

読書@toiletの読書日記も兼ねて読んだ本の紹介させていただいてます。

真夏の方程式について

東野圭吾の人気シリーズ、ガリレオシリーズの傑作。映画化され地上波での放映もあったので、多くの方がご存知の作品でしょう。

主人公は福山雅治さん、ヒロインが柴咲コウさん(第2シーズンは吉高由里子さん)で、連続ドラマとしてもフジテレビ月曜9時枠で放送され、いずれも高視聴率を連発しました。

ドラマ放映以降、小説を読むと頭の中で主人公の言動が、完全に福山雅治さんの映像として再生されてしまうほどハマリ役だったと思います。2018年現在、低視聴率にあえぐフジテレビですが、ガリレオシリーズの続編制作を是非とも期待したいと思います。

ただ、多くの映像化作品の原作本がそうである通り、ドラマより原作のほうが面白いです。

※あくまで個人の感想です。

人間が最も辛く苦しく恐ろしい「孤独」

冒頭のセリフは本作の(シリーズ全般を通して)主人公、天才物理者ガリレオこと、湯川学の言葉です。ミステリー小説なので、当然ながら事件が起こり、加害者と被害者がいるわけですが、どちらかというと被害者の立場にある人物に向けて投げかけられました。

「君は一人じゃない」

シンプルながら、人間の誰もが、最も求めているフレーズではないでしょうか。

飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続けるSNS、メッセージアプリケーション、WEB掲示板。これらは多くの人と繋がると同時に、自分が孤独ではないことを確認することができるツールです。今日の自分・見たもの・聞いたこと・感じたことを共有し、得たレスポンスの数だけ孤独と距離を置くことが出来ます。

WEBサービスの発展の要因は、その便利さのみでなく、「孤独」を劇的に遠ざけることができること、にもあるような気がします。

ことほどさように人間が孤独を恐れるのであれば、「誰かを一人にしてはならない」という

共通認識の上で成立するコミュニケーションは、様々な社会問題を緩和するものと考えられます。

完全に性善説に立脚した考え方は、ただの理想論でしかありませんが、それほど遠くない昔の日本では、けっこう成立していたのではないかと思います。

ちなみに、この反対は「自分が良ければ全て良し」です。まぁ、これはこれで人間の本音の一つなので悪い考え方ではないと思いますが。

残業に上限を設け、規制することで、働き方改革は成功するのか?

国内最大手の広告代理店で働く新入社員の過労自殺という痛ましい事件が、世論を巻き込んだ議論となりました。

事件の原因は下記の2つ。

■ 2日間以上の徹夜が続く常軌を逸した長時間労働

■ 上司や周囲からのパワーハラスメント

つまり、人間を構成している2つの要素である肉体精神、その両方を完全に消耗しきってしまったということで、これは起こるべくして起こった事件です。

ところが、再発防止として出てきた議論は

「月の残業時間を上限○○時間にする」

という、肉体的な負担を軽減するものだけで、精神的な部分をどうフォローするか?は、いつの間にか置き去りにされています。これから新たな対策が出るのかもしれませんが。

なぜこうも、皆が一律に決められた労働時間内で働かなければならないのか?

なぜ全員が全員、できれば仕事などしたくないと決めつけるのか

なぜ時間など気にせず働いて、大きな成果を出したいと思う人間を尊重しないのか

ある目的を達成するためには、相応の努力が必要となる。個人の能力に依存する部分が大きいのは確かだが、目的達成の難易度と努力の量は必ず相関関係にあると思います。

科学者の研究時間に上限を設けている国と、上限を設けない国では、どちらの国の科学者が多くのノーベル賞を受賞するかは自明でしょう。

規制されるべきは労働時間ではなく、無理強いされる行き過ぎた労働です。

一人にしない働き方が、本当の働き方改革ではないのか

某国内最大手広告代理店の場合は、あまりに極端ですが、私は月間120時間くらいの残業だけで人間は壊れたりしないと考えています。従って、某国内最大手広告代理店の場合は、報道されている残業時間を遥かに上回る超過勤務があったはずです。(根拠は何もありませんので、あくまで個人の意見です。)

確かに体は疲れますが、上司や先輩からの

「お前はよくやってるよ」

などの声がけや、

トラブルや難しい課題にぶつかった時

「一緒に考えよう」

という姿勢・行為があれば、精神的な苦痛は、それほどでもありません。なぜなら孤独ではないからです。職位や経験豊富な周囲からの気遣いが自然にできる職場・チームを作っていくことが、労働時間キャップなどよりも、過労自殺防止によほど簡単かつ有効だと考えます。

働き方改革=「働きたい人は好きなだけ、ただし強制的な労働をさせられることなく、孤独にならない働き方を確立する」

これがあるべき姿だと思う、というお話でした。

この本を読むなら、こんな人

理系男子が好き

理系女子が好き

✔ 好きな科目は理科だった。

福山雅治が好き

柴咲コウ(吉高由里子)が好き

※もちろん、上記以外の方が読んでも面白いです。

■作品;「真夏の方程式」

■著者;東野圭吾

■種類;ミステリー

■刊行;2011年11月

■版元;文藝春秋

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