イケダハヤト:「新世代努力論」を読んだ感想。大切なのは見返りを求めない情熱的な努力だ。

努力すれば報われる。頑張れば、夢は叶う。そういう古い考え方は、もうやめませんか。

※朝日新聞出版 新世代努力論 イケダハヤト著 P5

こんにちは。読書@toiletです。

読書@toiletの読書日記も兼ねて読んだ本の紹介させていただいてます。

新世代努力論

本書はイケダハヤトさんによる、世代論を交えた、現代の若者がどう生きていくべきか?を主張した作品です。

前回の記事でも、イケダハヤトさんの書籍を取り上げましたが、「なぜ僕は『炎上』を恐れないのか?」の初版が2014年2月です。

参考 なぜ僕は「炎上」を恐れないのか?の記事はこちら↓

イケダハヤト 著 なぜ僕は「炎上」を恐れないのか~年500万稼ぐプロブロガーの仕事術~を読んだ感想を書いています。

それから半年もかけずに、本書が出版されています。筆者は本を作ったことがないので、1冊の本を出版するのに、どれだけの労力がかかるか分かりませんが、非常に早いペースと言えると思います。

また、筆者はイケダハヤトさんが運営するブログ「まだ東京で消耗してるの?(2018年10月時点)」も、よく拝見しており、更新記事の多さに目を見張ります。

年がら年中、大量の文章を書いていらっしゃる方ですね。単純に凄いことです。

必ず報われる努力などない、世の中は決して平等でもない。

本書で、一貫して述べられている論理は、以下の2つです。

努力すれば報われる・頑張れば夢は叶うというのは、人口ボーナスが効いた前時代の考え方

日本社会は極端な平等主義であるが、実際は階級社会であり、決して平等ではないため、主義と現実のギャップを正しく認識する必要がある。

なかなか、未来に希望の持てない主張ですね。しかし、ちょっと冷静に現実を見てみると、その通りであることが、すぐに分かります。

・国民の過度な高齢化による、各種社会保障費の増加。それに伴う政府債務の増大。

・全体の人口減少に加え労働人口の減少による、経済活力の低下。

・英語教育の立ち遅れ、日本型企業経営の構造問題による、国際競争力の低下。

未来に希望が持てるような、数値・状況はほとんどありませんね。実際に過去30年ほど、日本のGDPは多少の増減こそあれ、結果的には停滞を続けています

この状況と、本書の主張は深く結びついています。

努力が報われた(報われる可能性が高かった)のはバブル世代まで:

単純な理屈です。国全体が好景気で、またファンダメンタルズも良好な場合、仕事における個人の業績も上がりやすくなります。従って、努力をすれば成果が得られやすいことは、容易に想像できます。

しかし、現在のように国全体の経済が低迷しており、更に将来を見据えても不安な数値がたくさん示されている場合、そうそう仕事の業績を上げる個人はいません。それこそ、傑出した能力を持つ個人は、悪状況下でも圧倒的なパフォーマンスを叩き出すでしょうが、バブル期と比べて「成果が出た個人の数」は圧倒的に少なくなります

つまり、努力が報われない(報われにくい)時代だという主張が成立します。

世の中は平等ではない:

これは日本の学校教育にも問題があると思います。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

とは、学問のすゝめで福沢諭吉が説いた教えで、筆者は小学校の時に、この言葉を習った記憶があります。

もちろん人間が平等であることに異論はありませんが、それは「尊厳」という意味のおいてであり、環境においては決して平等ではありません

更に1億総中流と言われた時代は、氷河期の彼方へ過ぎ去り、現在はハッキリとした格差社会が生まれています。資本主義のもとでは、基本的に資産家が圧倒的に有利です。富める者が更に富み、貧しい者は更に貧しくなるチカラが働いています

これからの努力=見返りを求めない情熱的な努力による競争からの脱却

本書では、親切にも「新世代努力論」についてのまとめが記載されています。P134~135の2ページで箇条書きで簡潔にまとまっているため、本書をじっくり読む時間が無い方は、このページだけを見れば結論が得られます

ただし、著者による様々な雑学を交えた展開をバッサリ捨てることになるので、ちょっと勿体ない気がします。本書では、著者の雑学も読み応えがあって、勉強になりますので。

※例えば、世界的に有名な建築家:アントニオ・ガウディが識字能力に障害を抱えていた、とか。

ぜひ、本書を手にとって読んでいただきたいものです。

以下は、筆者が本書を読んで得た結論となります。

一般的に努力とは、自分以外の他者との競争に勝利するために行われるものです。

しかし、現在では競争環境が違い過ぎて、もう努力では結果を動かすことが出来ないところまで来てしまっていると思います。

そこで、競争に勝つか負けるか?は、目的から外します

勝敗や損得を抜きで「好き」「興味がある」といった理由、つまり好奇心や探究心によってのみ達成される、見返りを求めない情熱的な努力。これこそが、今後、最も必要になるものだと考えます。

以上、「見返りを求めない情熱的な努力」は、実は筆者が大好きな推理小説シリーズの主人公、御手洗潔によって使われたフレーズでした。

参考 御手洗潔のダンスの記事はこちら↓

ミステリーの体裁をとりながら、御手洗潔が社会制度の問題を鋭く指摘する。読書日記です。島田荘司著:御手洗潔のダンスの感想を書いています。

できれば、無敵になれると思います。

■作品;新世代努力論

■著者;イケダハヤト

■種類;ビジネス書

■刊行;2014年7月

■版元;朝日新聞出版

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